ゼンマイ駆動 走れプガチョフ
漫画家・落合尚之の仕事情報と時々日記
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プロフィール

おちあい

Author:おちあい
1月6日生まれ
職業:漫画家
双葉社刊『漫画アクション』にて
『罪と罰 A Falsified Romance』
連載中。

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新刊のお知らせ
いかんいかん。
9月中、一回も更新してなかった。
慌てて30日深夜から書き始めたが、間に合いませんでした。
毎度ボンヤリしててすみません。


取り敢えず新刊の告知を。
『罪と罰 A Falsified Romance』第4巻、発売になりました。

このような表紙です。
罪罰4巻

過去編完結の第36話まで収録。
謎の男・首藤のヤクザな男っぷりをご堪能下さい。
案の定、うちの近所では売ってません。
お近くの書店で手に入らないという方は、ネットの通販などでお求め下さい。
宜しくお願いいたします。


時を同じくして台湾から、台湾中文版『罪と罰』の第一巻が我が家に届きました。
奥付見ると6月に発売になってたみたいですが、遅れていた船便がようやく届いたそうです。

罪罰台湾版

タイトルが『罪/罰』となってますが、
既に台湾では『罪と罰』(中国語だと『罪和罰』?)という題の他の漫画が存在するらしく、
カブらないようにということでこうなっています。
左下に燦然と輝く18禁マーク………。
まあ内容が内容だからな。
台湾にお出かけの方は現地で探してみて下さい。

『罪と罰』はこの他に、フランス語版が出る(出た?)みたいです。
初のヨーロッパ進出。
見本が届くのが楽しみです。


せっかくなので、今までに出た僕の漫画の海外版もついでにここで紹介しよう、
と思って準備してたらカメラの電池が切れちゃった。
次回また、そのネタで。


タイ語ロゴ
さて、このタイトルは?
10/01 【 仕事情報 】 . . TOP↑
さらばYS
もう一ヶ月くらい前の話になるんで、話題の旬は過ぎましたが、
これについては一言触れておきたかったので今更ながら。

漫画好きの皆様にはご存知の通り、
小学館の『週刊ヤングサンデー』が休刊になりました。
楽しみにしていた作品も多かったので、非常に残念です。
連載されていた作品の殆どは、他誌に移るなどして継続するようなので、
続きが読みたければそれらを追っかけていけばいい訳ですが、
10年以上毎週家に届けられていた見本誌が、今はもう来ないというその事実がですね………
慣れ親しんだ生活の一部が失われたような気がして寂しいのです。

YSという雑誌にはいろいろ思い出があります。
学生時代には上條敦士さんの連載を夢中で読んでましたし、
修業時代、プロの先生のアシスタントとして、
初めて手伝ったのはYS連載のお仕事でした。
忘れもしませんが、
六田登先生の『ICHIGO』で主人公一期が初めて人を殺す回。
サブタイトルは「旅立ち」でした。

そしてデビュー後、自分の代表作を世に出させてもらったということはやはり大きいです。
20代最後の年に『黒い羊』を完結させて、
僕はそのまま自分の青春をYSに埋めて来たと思ってるので、
何というか今、
雑木林の木の下に思い出の品を埋めておいたら、
宅地開発で伐採されて更地になってしまった………
とでも言うような、軽く途方に暮れた気持ちがしています。

ここでは言えないようなイタい思い出も多々あり、
それも含めて感無量です。
一時期傍目には迷走していると見えたこともありましたが、
ここ数年は安定して、毎週木曜が楽しみでした。
不況のせいだったり、漫画離れのせいだったりするんでしょうが、
本当に残念です。


さらばYS。
長い間有り難うございました。

ヤンサン1999
読み切りを載せてもらった'99年のYS。
表紙の顔にも時代を感じますね。


08/30 【 日記 】 . . TOP↑
またインタビューを受けました。
宝島社刊『このマンガがすごい!SIDE-B』に、インタビューが載りました。
現在書店等で発売中です。
実際にインタビューを受けたのは、もう2ヶ月くらい前になりますが、
「本当に載るのか?」と疑心暗鬼だったもので、今頃になってのご報告となりました。

「注目のマンガ家インタビュー10連発」というコーナーで、
他の作家さんたちに混じって取り上げて頂いてるんですが、
他の皆さんは正に今が旬といった感じのフレッシュな方々で、
トウの立ったオッサンが一人だけ場違いな感じで挟まってるのが、いかにも肩身が狭いです。
せめて10年くらい前に、こういうところに出られるようになってればなあ……。
昔ある編集さんに
「落合さんは大器晩成型ですよ」
と言われたことがあるのを思い出します。
大器かどうかは知りませんが、
晩成出来るかどうかは『罪と罰』のこれから次第ということで……
引き続き頑張って行こうと思います。

今回も写真入りですが、
『ダ・ヴィンチ』のインタビューのあと反省して髪を切ったので、
別人っぷりに大笑い出来ると思います。
しかもこの写真、もろ寝起きだし……。

ご笑覧頂ければ幸いです。

浦安
隣町にて
08/09 【 仕事情報 】 . . TOP↑
こぼれ話(後編)
こぼれ話完結編です。


『罪と罰』過去編に登場した首藤魁という男。
ヒカルのときと同様、作者の思惑以上にキャラが育ってしまった感があります。

キザで皮肉なアウトロー。
女子にモテモテのプレイボーイ。
チャランポランに見えながら、その実仕事ではきわめて有能。
時に気の利いた警句を吐き、危険な香りを漂わせ………

まあ言ったらオトコの憧れですよ。
描いてて楽しいのも当然か。
主役のミロクが完全に喰われてしまう程、
過去編の真の主役と呼んで差し支えないキャラになったと思います。

原作ではスビドリガイロフに当たるキャラですが、
僕が若い頃に出会った何人かの人物をイメージソースとして、
キャラをふくらませる材料にもしています。
その実在の人物たちが僕にとって憧れの対象だったのか、
と言われると必ずしもそうではなく、
まあ実際には反感だったり軽蔑だったり、
そういう真逆の感情と込みだったんですけれども……。
その辺は正にそのまんま、ミロクの首藤への気持ちに重なるところではあります。


で、その首藤を描きながら、ふと思い当たる節があった訳です。

『罪と×(仮)』で僕が描こうと思っていたデプログラマー、
「(元祖)背理」のキャラクター、
首藤とかなり重なる部分があるなあと。

妖しい言辞を弄してミロクの価値観に揺さぶりをかける首藤。
その行為は言うなれば、正にデプログラムそのものです。
そして首藤は「ミロクを地獄巡りへ誘うメフィストフェレス」の役割を、
この過去編で果たし、
そしてまた、いずれ来る再登場の時にも果たすことになるでしょう。
なるといいなあ。なりますように。


つまり「背理」が「曜堂」になる時に、
抑圧され、切り捨てられた影の半身が、
十数年の時を経て、
「首藤」という人物として現れたのではないかと。

『罪と×』の遺伝子は『黒い羊』を経て、
『罪と罰』に受け継がれたと。

全3回の「こぼれ話」で言いたかったのは、要するにこのことだったのです。
ダラダラやって来た割に、結論が簡単すぎてアレだが。

作家として引き出しが少ない、
なんてことは言われなくても分かってるので言わないで下さいね!
長々とお付き合い有り難うございました。


焦がし
原稿焦がした……
火災に注意。




07/29 【 日記 】 . . TOP↑
こぼれ話(中編)
前回の続きです。
前編を読んだだけだと、過去編完結記念で何故この話題か、
多分よく分からなかったことと思いますが、
最後まで読んで頂ければ、一応話がつながる予定です。
では改めて。


以前どこかで書いたことですが、
企画立案初期の『黒い羊〜』は、出来上がって世に出たものとは随分内容が異なっていました。
後のフワケンに当たる少年が主人公で、
後の曜堂に当たる人物は、狂言回し的な役割の、二番手ポジションのサブキャラでした。
仮タイトルとして『罪と×』とつけていた時期が、丁度この時期に当たる訳です。
この頃はまだ、(後の)フワケンも(後の)曜堂も、
名前も外見も全くの別人だったんですが、
(後の)曜堂(ロンゲにメガネ、華奢な優男)が、「背理」という通り名で呼ばれている、
という設定は、既にこの時から考えていたと思います。
キャラ表に添えた説明文には、彼のことをこんなふうに書いていました。

「時には味方、時には敵。
主人公を地獄巡りに誘うメフィストフェレス」


すべての真理を否定する究極のデプログラマー=「背理」と呼ばれた男。

その呼び名を考えたときに僕が想定していた人物像は、
単にカルトの教義を否定するだけではない、
場合によっては全く逆に、常識的な社会通念や倫理観さえも否定する、
人間の精神を支配するプログラムを、それがどんな種類のものであれ、
完全に取り除き、入れ替える技術を持ったアウトロー、というものでした。
「すべての真理を否定する」と言っている以上、そうでなければなりません。
例えば時にカルトの側に立って、一般人の常識をデプログラムすることもあり得ます。
そして、その事自体の善悪は問わない。
何となれば、善悪という価値基準もまた、
デプログラム可能な価値観のひとつに過ぎないからです。
それを可能にする力を持ったこの人物は、
自分の力を弄び、面白半分にそれを揮いたがる、
危険なパワージャンキーとして描かれるはずでした。


その後企画内容の変化に伴って、
サブキャラだったデプログラマーを主役に昇格させることになりました。
ここに来てようやく、曜堂哲夫というキャラクターが誕生します。
「背理」という名に込められた危険な部分を、
僕は曜堂にも受け継がせるつもりでいたのですが、
結果的にはそれは出来なかった。
主役という立場上、また話の流れ上、
曜堂のキャラをあまりダークサイドに振ることが出来なくなってしまった訳です。
代わりにその部分を担う役割を果たしたのがアララギという人物で、
作品トータルとして見ればバランスはとれた訳ですが、
当初の予定通りの性格づけで曜堂を暴れさせることが出来ていたら、どんな話になってただろう、
というのは今でも時々思ってみたりすることです。


更に長くなったので、次回後編に続く。

去年の青砥橋
ちょうど一年前の写真だ!
07/15 【 日記 】 . . TOP↑
  
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