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ロシア旅行記 ラスコーリニコフのペテルブルク その3

最初に『罪と罰』の小説を読んだ時、
ロージャやソーニャたちの生活のあまりの惨めさに、
また、道を歩けばポン引きや物乞いや酔っ払いに当たる猥雑極まる街の描写に、
僕は彼らの住むセンナヤ広場周辺を、場末感漂う吹き溜まりのような街だとイメージしてました。
例えて言えば『あしたのジョー』の泪橋界隈みたいな感じでしょうか。
蒸し暑くて空気が悪いということが度々強調されるので、一層そんなイメージが強まりました。
ロージャがよく散歩中に運河を眺めて物思いに耽ったりしますが、きっとその運河も、どんよりと濁って淀んだドブ川みたいな川なんだろうと想像してたのです。

そのせいで、後になってソ連時代に作られた白黒映画の『罪と罰』を見た時には、人物の背後に映っている街並の美しさに凄い違和感を感じました。
想像してたのと全然違う。こんなこざっぱりしたお洒落な街が、あの悲惨極まる地獄の街だとは……と。

ペテロケ48 ペテロケ49 ペテロケ50

特に綺麗だなと思ったのは運河沿いの景色です。
瀟洒な建物が整然と建ち並び、橋の欄干には精巧な細工の施された金属の手すりが据え付けられています。
こんな華奢な手すりでロージャの苦悩の重さを支えられるか、と思ったりなどもしましたが、
まあロシアの人たちが作った映画の方が、そりゃあ僕の想像よりは正しいに決まってますよね。
この美しい眺めの裏側に、目を覆わんばかりの貧困と退廃と悪徳がうごめいていたんだ、と考えると、それはそれで作品の読み方に別の味わいが加わったりするかも知れません。

実際に現地に行ってみると、やはり映画で見た通り、運河沿いの景色は美しいものでした。
貧困や退廃の面影は見当たりませんでしたが、それは遠い昔の話なんでしょう。


さて、そんな運河沿いの一角に、物語の中でも重要な場面の舞台になる場所があります。
ペテロケ51

4)ソーニャの住まい
ペテロケ52 ペテロケ53 ペテロケ55
これもまた随分イメージと違う……
というか、作中の描写に照らしてみると、場所が合ってるかはさておいても、この建物自体はソーニャが住んでいた建物とは別物のようです。どう数えても明らかに階数が違うので(作中では3階建て)。
ですが、後世に建て替えられたか、小説の中と現実とで建物の形が違うという可能性もあるので、一概に地図が間違っていると断定もできません。

因みにソーニャの住んでいる部屋については作中で間取りなどの詳細な描写があり、それによると部屋の形が普通の正方形や長方形でなく、壁が斜めに交わって一つの角が鋭角に、向かいの角が鈍角になっている、つまり台形の形をしていたことが分かります。
ソーニャの部屋のその特徴に倣って、僕の漫画の中でもエチカのアパートの部屋の形を台形になるように描いてるんですが、多分そのことに気づいてる読者は世界中に一人もいないだろうな。パースが若干複雑になるので、明らかに一手間余計にかかってるんですが。
もし誰か気づいて下さってた方がいたらご一報下さい。

しかし一見豪華な造りなのに、よく見ると壁とかボロボロですね。修繕とかしないのかな。
ペテロケ54

*追記
やっぱりこの建物はソーニャの家ではなかったみたいです。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。



そのソーニャの住まい(?)から運河沿いに1ブロック進んだところに小さな橋が架かっています。
この橋が上に書いた、ロージャが物思いに耽っていた橋です。

5)N橋(ヴォズネセンスキー橋)
ペテロケ57
ペテロケ59 ペテロケ60
老婆殺しの後、数日間の昏睡から目覚めたロージャは、部屋を抜け出して夜の街を彷徨い、この橋で女性が身投げするのを見ます。
またその数日後、スヴィドリガイロフに会いに来た妹ドゥーニャとここですれ違います。
身投げの場面では、通りかかった警官が運河に下りて女を引き上げる様子が描かれていますが、
運河には下の写真のようにあちこちに階段があって、水辺に下りられるようになっています。舟に乗る時に使うんでしょうね。
警官が下りたのはこの階段か、
ペテロケ61 ペテロケ62
それとも反対側のこの階段でしょうか(右下の方)。
ペテロケ58


更に運河沿いに進んでいくことしばし……
ペテロケ56 ペテロケ63
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ペテロケ69
上の写真、左手の青っぽい色の建物が…

6)警察署
ペテロケ66 ペテロケ67 ペテロケ68
反対側から見ると青と緑のツートンになってます。
多分現在では警察署じゃないと思いますが。

劇中でロージャがここを訪れたのは計3回になるのかな。
一回目は殺しの翌日、家賃の滞納のことで呼び出され、副署長と口論した後卒倒する。
二回目は彼を怪しいとにらんだポルフィーリーに呼び出され、あわやというところまで追い詰められる。
三回目は自首をしに。

向かいには船着き場。
ペテロケ72
センナヤ広場のすぐ裏なので人の流れも多いです。
ペテロケ70


運河の景観を守るためにボランティアの人が水面のゴミ拾いをやっていると、NHKの『ふれあい街歩き』で言ってましたね。
確かにゴミなどは殆ど見なかった気がします。
場末とか吹き溜まりとか、失礼な想像して本当にすみません。
ペテロケ71



ロケ地巡りまだ続く。
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18:33 | ロシア旅行 | edit | page top↑
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