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ヒカルとリサ

『罪と罰』単行本、第二巻が発売になりました。
いや、予定表の上では発売になってるはずなのですが、
発売日に2〜3軒、近所の本屋さんを回ってみたところ、
置いてるお店は一軒もありませんでした。
アクションコミックス自体、『極道めし』と『駅弁ひとり旅』以外見かけなかった。
売り場での場所取りも何かと大変なんだろうとは思いますが……
皆様のご近所では店頭に並んでますでしょうか?

うちの方にはちゃんと見本が届いております。
パラパラ見てたら早くもベタの塗り忘れ&トーンの削り忘れを発見。
ガックリきたわ。
読者の皆様にはお見苦しいものをお目にかけることになります。
どうか気が付かないで下さい。
無理に粗探しなどしないでいただけると、多少心が軽くなります。
今回の表紙キャラはリサです。
かなり強烈なピンクのカバーが目印です。
宜しかったら探してみて下さい。


さて、前回も書きましたが、
連載の方はやっと原作の第一章に当たる部分が終わったところです。
といっても、構成を変更して後回しにしてる部分もあるので、
第一章の80%程度を消化した、くらいの方がより正確な表現になるでしょうか。
話の内容的には、物語の序盤を引っ張って来た二人のヒロインが退場し、一区切りついたというところ。
このヒカルとリサというキャラについて、退場記念としてちょっと思うところを書いておこうと思います。

原作では金貸しの老婆、アリョーナ・イワーノヴナにあたる馬場光。
このキャラについては………
正直ちょっとふくらませすぎました。
原作のアリョーナ婆さんは、強欲で因業、ケチで意地悪、
だから死んでも誰も悲しまないような人間として描かれています。
だからこそラスコーリニコフは「こんな奴死んだっていい」と考えて手を下すのですが、
生きるに値しないつまらない人間ではあったかもしれないが、
死ぬに値する程の悪い人間だったか、と問われれば、決してそこまでではなかった。
それに対してヒカルの方ですが、僕は彼女を、はっきりとこの世の悪意を体現する人間として描いてしまいました。
ここまで悪逆非道なことをやってれば報いを受けて当然、
「殺した方が世のためだ」というミロクの言葉もあながち否定出来ないというくらい、
悪い人間として描いてしまった。
これは結構、作品のテーマ自体に関わる重要な改変で、
自分で描きながら、これで本当に大丈夫かと疑問に思い、不安を持ったのも事実です。
そうは思いながらも、描く程にどんどんヒカルの悪人ぶりがエスカレートしていった理由は結局のところ、
「その方が面白いから」という一点に尽きます。
ドスト先生の原作より僕の漫画の方が面白いなどというつもりはありません。
しかし、雑誌連載の漫画という媒体で話を進めるためにはこの表現の方がより適切だと、判断したため敢えてこうしました。
小説と違って、ミロクが一人で思い悩んでいるだけでは漫画としては成立しない。
ヒカルに振り回され、それにリアクションを返していくことで、
どうにかミロクも主人公としての立ち位置を固められたと思います。
こんな女が実際に身近にいたらたまったものじゃない、
許すべからざる極悪人だと思いますが、
漫画のキャラとしてはその方が面白い、
誤解を怖れずに言えば、描いていて楽しいと感じるキャラクターでした。
他人の心の弱さにつけ込んでそれを食い物にする、
どこか浮世離れした悪、という意味では、
『黒い羊』に登場したアララギが、ヒカルのルーツだと思います。
髪型も似てるし。

原作では金貸しアリョーナの妹、リザヴェータ・イワーノヴナに当たる島津里沙。
こちらもふくらませすぎた、という意味ではヒカルに勝るとも劣らない………
重要な役ではあるものの、原作では本当にちらっとしか出て来ないので。
ヒカルのキャラをふくらませた相乗効果で、こちらも相応のキャラとして作り込んでいかざるを得なくなりました。
その辿り着いた先が、2巻ラストのミロクとの芝居になる訳ですが、
ここも原作とは全く異なる部分です。それが良かったのか悪かったのか………
ただ、原作のリザヴェータを元にしているとは言っても、リサはまたそれとは別個のキャラクターなので、
リサのとる行動としてはああしかなかったと思っています。
そのことが作品のテーマを描いていく上で、今後どんな影響を及ぼしていくことになるのか、
不安はあるものの、このまま進めていくしかないようです。
ちなみにリサのキャラクターには、リザヴェータだけでなくドストエフスキーの他の作品の登場人物も混ぜてあります。
売春婦に説教したら後日家に訪ねて来た、という展開、
ピンと来た方もいらっしゃるのではないかと思います。
名前も似てますね。

ヒカルがアララギなら、リサは湊の死んだ友だちのような存在です。
狼と羊の間で道を求めて彷徨うミロクは、果たして黒い羊になれるのか?
ちょっと例えが手前味噌過ぎるかも知れませんが、
今はそんなことを考えながら構想を進めています。

ヒカルとリサがいなくなって、正直作者としても気が抜けてしまっているのですが、
真のヒロイン、そして真の怪物が登場するのはこの後です。
頑張って盛り上げていきたいと思いますので、今しばらくお待ち下さい。

天使像

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